週刊バユング 第二号
2023.01.30
こんにちは、こんばんわ、週刊バユングの時間となりました。
今回はハウスクリーニングには欠かせない洗剤周りの話をして行きたいと思います。

様々なメーカーから様々な洗剤が販売されていますが
その液性に応じて大きく「酸性洗剤」「中性洗剤」「アルカリ性洗剤」の3つに分類することができます。
では、その酸性、中性、アルカリ性の区分する基準は何なのか?

それは0~14の数値からなる水素イオン指数PH (ペーハー)と呼ばれる値によって決められます。

また、汚れにも酸性の汚れ、アルカリ性の汚れがあり
酸性の汚れにはアルカリ洗剤、アルカリ性の汚れには酸性洗剤をと汚れの性質とは真逆の性質の洗剤をぶつける。
これにより汚れと洗剤の性質が相殺する「中和」と呼ばれる反応を利用してきれいにしていくのです。



<酸性の洗剤>
酸の力で汚れを落とす。PHの値が0に近づくほど酸性になり洗浄力が強くなる。
水垢・カルキ・尿石・黄ばみなどのアルカリ性汚れに効果あり。
注意点として塩素系漂白剤と混ぜると有毒ガスが発生してしまう。
具体的には水垢用洗剤や強力トイレ用洗剤などが該当する。

<中性の洗剤>
洗浄力は弱い。素材や肌に優しいので日々の手入れに最適、界面活性剤が含まれている。
因みに界面活性剤とは分子内に水になじみやすい部分と油になじみやすい部分を持つ物質の総称。
食器の汚れ、フローリング、日常の汚れ、デリケートな素材の汚れを落とすのに適している。
具体的には食器用洗剤、お風呂の洗剤、フローリング用洗剤などが該当する。

<アルカリ性の洗剤>
汚れの中の油分と反応し一種の石鹸となって汚れを落とす。
皮脂やたんぱく質、油汚れ、カビ等に有効。
具体的には酸素系漂白剤(弱アルカリ性)、塩素系漂白剤(アルカリ性)、パイプ洗浄剤など。
注意点としては素手で触ると皮膚を溶かし肌を傷めてしまうので手袋を着用すること。
また、可能であれば臭いがきついのでマスクやゴーグルの着用もお勧めする。
そして塩素系の漂白剤は酸性洗剤と混ぜないこと、有毒ガスが発生してしまう。




<塩素系漂白剤と酸性洗剤を混ぜると有毒ガスが発生することに関して>
これらの洗剤の容器には「混ぜるな危険」とデカデカと書かれています。
では何がどうなって危険になるか?

トイレ用の洗剤には強力な酸である塩酸(HCl)が含まれています。
一方、塩素系漂白剤には酸化剤として次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)が含まれています。
コロナ対策に有効だとして一時期話題になったことがあったのでこの名称を知っている方もいると思います。

そしてこれらを混ぜたときの科学反応式が
NaClO + 2HCl → NaCl + H2O + Cl2
となりCl2、つまり塩素ガスという有毒ガスが発生してしまうのです。

<塩素ガスの何が危険なのか>
このガスは刺激臭があり、吸ったり触れたりしてしまうと、目や鼻、喉に強い刺激を感じ、呼吸器や目、口腔内の組織が破壊されてしまい、塩素ガス中毒に陥ってしまう場合があるからです。さらに、ガスが肺の奥まで侵入してしまう肺水腫(肺に水がたまった状態)を起こし、死んでしまうこともあるのです。

クエン酸やお酢(酢酸)なら大丈夫なイメージがあると思いますがこれらも酸性。
塩素系漂白剤と混ぜたら当然塩素ガスが発生してしまいます。


私もハウスクリーニングを始めたばかりなので洗剤を使うにしても感覚で使ってしまいます。
昨年末、自宅の風呂を掃除をした際に黒カビ取りも兼ねて風呂場中をカビキラーまみれにしてみました。
臭いがきつく嗅いでいると気分が悪くなるしその臭いの影響でしばらく嗅覚がバカになってしまいました。
掃除自体は無事終わらせることができましたがもっと上手いやり方があったのではないか。
課題を残る結果となってしまいました。

このような理論に基づいた考え方を意識し、安全面も考慮しつつ汚れの性質を見極め適切な洗剤を選択できるようになれるよう日々精進したいものです。

それでは今回はここまで。
また次回お会いしましょう、さようなら。


2023.01.30 16:05 | 固定リンク | バユング

- ㈱G.U.T.S. -