今夜、宿泊先が見つかるかどうか不安で、私のハートは60%から80%が灰色になった様な気が
してきた。
サンフランシスコ市 終点バスターミナルを後にし、スーツケースを互いに一つづつ転がしながら
市内のホテルを手当たり次第に当たってみることにした。
「寒~い」
とにかく寒いのだ!!
「OK! Let’s try this one」
外見からしてゴージャスで高価そうなホテル。
正面玄関入口のスイングドアに挟まれないように 彼の後につきも間を取り順にドアをす
り抜けてゆく。
スイングドアは初体験! 楽しい!
「Wow !! what a gorgeous Hotel this is」
真紅の絨毯が敷きつめられ、目の前のステップから数段上に覆い2階へ通じている。
数メートル先の右側には、手入れの行き届いた艶やかに磨かれた
年代を感じさせるカウンターと棚。
天井に吊られた大きなファンは、ゆっくりと部屋の空気を和らげ
そこから漏れる明かりは、影と共に交互にいれかわる。